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〜色々と考えすぎるサンフランシスコ移住美容師の思考の軌跡〜

by masashitt

埼玉に産まれ、東京で修行し、沖縄にて独立。その後サンフランシスコへ移住。フランスのヘアーカット技法”エフィラージュ”に一喜一憂し続ける現役美容師。続けるほどに『こんなに自由に生きれる仕事、なかなか無いのではないか』と真剣に思っています。ついつい考えすぎながらも一途に美容師を追求したからこそ見えてきた美容に留まらない多くの知見と私見をマイペースに綴ります。 More about me…

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美容室での『おまかせ』

2016-03-11 By masashitt Filed Under: ニッキ, ビヨウシ関連タグ:美容室経営の事, 美容師技術の事

日本人はおまかせが好きらしい。

この気持ちはとてもよく分かる。
やはり、プロに任せる楽しさ
と言うのは確実に存在するだろうし
実際にそうすることで自分で決めるよりも
何倍も満足度が倍増するって事は現実あると思う。

でも、
美容師として思うのは
ご新規客ではじめてお会いする時に
開口一番
『おまかせで』
と言われると・・・

実際こうゆうことはちょいちょいあるんだけど、
お客様はそんなに深いことを考えずに
言っているのもわかるんだけど、
リアクションはなかなか難しい。

僕の経験だと、
美容室で今まで接点のなかったお客様が
いきなりおまかせって言ってくる時って
大きく分けると2通りで、

  1. 髪にあまり執着がなくて本当にどうでもいい
  2. 期待が大きすぎる
この2つ。
このどちらのパターンかなというのは、
そりゃもうお客様の容姿から伝わるものや
その場の空気で1発でわかる。
2,のパータンでサロンを利用したい気持ちは凄くわかるんだけど、
じゃあ似合うと思うからっつって丸坊主にしても怒らないのかって
屁理屈にも聞こえるかもしれないけど
大げさに言えばそうゆう話なのは間違いなくて、
それで怒らない人なんてのはまずいないんですよね。
おまかせなのに。
おまかせというのは、
一部の職種では初回からそれでも良いかもしれないけど、
お客様と長年培ってきた信頼感であったり
お互いライフスタイルや人となりがしっかりわかって
期が熟して初めて成立することが殆どなんだよね。
インスピレーションはいくらでもわくけど、
やはり施術前にプレゼンテーションしてからでないと、
ハサミは動かせない。
むしろ、おまかせと言ってくるお客様ほど
慎重にカウンセリングします。
期待が大きすぎるので。
それとちょっと似た話としては、
過去におまかせで超ドンピシャ最高のヘアーデザインを
自分に提供してくれた美容師がいるらしく、
今はもうその人にカットしてもらうことは出来ないんだけど
その人最高だったんです。
だからその様な仕事をしてくれる美容師さんを探してるんです
と、過去の亡霊をいつまでも背負っちゃって
お祓いできずにいるお客様もたまにいらっしゃいます。
この場合・・・・
もう断言しますけど、
偶然なんですよね。
そのドンピシャ美容師さんが
ろくにカウンセリングもしないで最高に似合うデザインを
提供してくれたとしたら、
偶然  もしくは  超能力者だと思います。
美容師は髪型を作るけど、
一般のサロンワークでは、最終的に日々スタイリングするのは
お客様なので、
そうしたってコラボ作品止まりだと思うのです。
デザイナーだのスタイリストだの言うたって、
サロンワークはコラボ作品なんです。
そのなかで如何に最高の仕事をするか。
家でのお客様のスタイリングを史上最高レベルでフォローする。
これがサロンワークの難しさであり醍醐味であり、
ここには綿密なカウンセリングと意思疎通は絶対に必要不可欠だと思います。
ただ、実際にはおまかせでお願いしたと、
お客様に錯覚させる仕事  ってのは可能だと僕は思ってます。
むしろ、それが最高の仕事ではないでしょうか。
だって、お客様は素人ですから
自分で自分を客観視するには限界がありますし、
プロのアドバイスが欲しいはずなんです。
その為のポイントを抑えた問診をしてあげて、
あたかもおまかせで大成功したかのような
エンターテインメント性をサロンで演出するのは、
私たちにとても必要な要素だとは思ってます。
美容師って、難しいです。
そこが楽しいのですけど。

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