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髪を通して世界探索をする、とある美容師の研究日誌 — Field Notes from a Hairdresser's Lab

FILED BY MASASHITT

現役美容師・29年目。サンフランシスコを拠点にヘアサイエンスとエフィラージュカットを探求しながらHair Caffe Labを運営。「科学と非科学、ハイクラスとストリート」—その交差点に挑み美容に留まらない知見と私見をマイペースに綴ります。/29-year hairdresser based in San Francisco. Exploring hair science and the Effilage technique while developing Hair Caffe Lab. Navigating the intersection of science and intuition, high-end and street — writing it all down at my own pace. About this lab →

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現在の場所:ホーム / LAB NOTES / S-7 Development Notes #1|会議室ではなくサロンで作った、自分の為のシャンプー

S-7 Development Notes #1|会議室ではなくサロンで作った、自分の為のシャンプー

2026-06-01 By masashitt カテゴリLAB NOTES

毎日洗う人のことを、本気で考えた一本がほしかった

サロンで働いていると、一日に何度も人の髪を洗う。自分の髪だって毎日洗う。「毎日洗う」というのは、僕にとって、そして多くの日本人にとっては当たり前の事である。

そして、ここ数年、僕の手はかなり酷い荒れ方をしていた。美容師の手が乾燥して荒れてしまう。これは誰でも想像に難くない、よくある現象だ。僕ももともと肌が弱いほうで、特にここ数年は乾燥がひどく、手はかなりつらい状態だった。

美容師の手は、1日に何回も洗われる。確実に2回以上。平均したら10回前後。

それとは別に、お客様の中には、「毎日シャンプーしたい人」というのがいる。日本に比べたら少数かもしれないけど、毎日運動をする人、ジムに通って汗を流す人、整髪料を使う人、など… 美容師として相談を受ける事も多い。『シャンプーは毎日して大丈夫なのか?』と。

そしてふと気がついた。この両者は、同じシャンプーを必要としているな と。毎日洗っても身体と髪への負担にならない優しいシャンプー。美容師が1日に何回もお客様の頭を洗っても、手への負担が少ないシャンプー。

美容師の為のシャンプーが、お客様の為にもなるな と。そう考えたのが全ての始まりだった。

美容師だからこそ、見えていたこと

正直に言えば、僕は商品開発の素人だ。化学者でもなければ、メーカーの研究員でもない。

ただ、髪と頭皮を、これ以上ないほど近くで見続けてきた人間ではある。29年近く、毎日、いろんな人の髪に触れてきた。乾かしながら、切りながら、洗いながら、「この髪は今どういう状態なのか」を手で読む仕事をしてきた。

逆に言えば、その手の感覚こそが、僕が唯一持っている専門性なのだと思う。

「自分で作る」という、少し無謀な思いつき

自分の仕事の為のシャンプーを、自分で作ってみよう。

そう思いついたとき、できる根拠なんて何もなかった。むしろ、できない理由のほうが山ほどあった。それでも、頭の中で考え続けているより、一回作ってみたほうが早い気がしたんですよね。

会議室で企画書を書くのではなく、サロンの現場で、自分の手と髪で確かめながら作る。スタート地点は、それだけだった。

約1年、ひたすら試して、直して

そこからが長かった。いや、自分で長くしていた。理想が高すぎて…。

最初の試作は、お世辞にもうまくいったとは言えなかった。泡、洗い上がり、乾き方。香りは最初から諦めていた。絶対に難しいと予想していたから。初期は無香料の予定だった。——それなのにどれも「あと一歩」が埋まらない。少し直しては作り、また直しては作る。気づけば、その繰り返しを1年以上続けていた。

数えてみると、世に出ない試作だけで20回以上。うまくいかなかった回のほうが、ずっと多い。

でも、その「うまくいかなかった理由」を一つずつ手で確かめていく時間が、結果的に一番の財産になった。この開発日記では、そのあたりの回り道も、隠さず書いていこうと思っています。

それで、「S-7」という一本になった

長い試作の末にたどり着いたのが、S-7 Daily Shampoo です。毎日洗う、つまり1週間に7回。だから「7」。

毎日、頻繁に髪を洗う人のために設計したシャンプー。加水分解シルクプロテインを配合した、やわらかくシルクのような泡が特徴で、洗い上がりは軽く、清潔で、バランスのいい状態をめざしました。

当初は絶対に難しいから避けていた香りについても、途中から避けられない理由ができて、苦労しながらブランド独自の香りを完成させました。名前は「MATSUYAMA」。日本の愛媛県松山市からとっています。日本の柑橘と温泉地の森林を思わせる、すっとした香りに仕上げています。愛媛旅行でインスピレーションをもらいながら、開発から仕上げまで、すべてサンフランシスコで完結させました。

ここで成分や処方の細かい話にまで踏み込むつもりはありません。それは、この先の回で少しずつ。

今、ようやく最後の工程にいる

S-7は今、ラベルとパッケージの最終段階にいます。中身はほぼ固まっていて、あとは「どう手に取ってもらうか」を詰めている最中です。

発売日を、ここで大きく宣言するつもりはありません。もう少し時間がかかります。ただ、長く付き合ってきたものが、ようやく形になりつつある——その実感だけは、確かにあるんですよね。

この開発日記は、その記録です。きれいな完成品の紹介ではなく、一人の美容師が、自分の手で一本のシャンプーを作っていった過程そのものを、これから少しずつ残していけたら、と思っています。


S-7の発売情報は、ローンチリストにご登録いただいた方へ、いちばん最初にお届けします。

🇬🇧 English version →

🧴 S-7 is currently in final development. Join the launch list here →
https://haircaffelab.com/products/s-7-daily-shampoo

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